Apr.09.2000
GdkPixbuf を用いたソフトを幾つか公開してみたところ、これのインストールが
出来ないとか、インストールしていないから試せないとかいった声がいくつか
ありました。
確かにメジャーなライブラリではなく、現時点において標準で入っている
OSパッケージは無いと思われます。
けれども私としては GdkPixbuf を選択し、今後これを使って行くと思いますので
GdkPixbuf の入手方やインストール方法について解説することにしました。
GdkPixbuf は GNOME 構成ライブラリの一つです。主にフルカラーの画像バッファ
の提供とそれを利用した縮小イメージの生成、画像データの読み込みといった
部分を担当しています。
現在の GNOME では Imlib が用いられていますが、Imlib は GNOME の目的とする
ところとはちょっと違うライブラリ(画像加工ライブラリ)であることからこれの
代換ライブラリとして用意したものです。
画像ロードと画像バッファに加え、GdkRGB や libart といった GNOME ライブラリ
との親和性も良く、ディスプレイ画像だけでなく印刷時の中間バッファとしても
用いられる様です。
時期の GNOME (2.0) 以降はこの GdkPixbuf を用い、アンチエリアス(エッヂが
目立たないよう滑らかに縮小された画像)なデスクトップを提供するといった旨が
GNOME developer サイト の
ロードマップにて示されています。(Apr.09.2000 現在)
つまり、現時点(Apr.09.2000)では GNOME Packege に含まれていないライブラリ
ということであります。それゆえに皆様のシステムにはほとんど入っていない
と思われます。
今回はソース形式の tarball をインストールする方法を説明します。
パッケージ利用をポリシーとしている方は、ご自分のシステムに合った
パッケージが出るまでお待ちください。
ちなみに、Turbo Linux は GdkPixbuf の RPM を用意している様ですね。
これから他のパッケージにも入って行くと思います。今は移行期ということで。
GdkPixbuf は
GNOME のサイト
に行けば入手することができます。
WEBページから直接的にはダウンロード出来ませんが
FTP サイトからたどると
みつかると思います。
日本国内のミラーは
ftp://ftp.dti.ad.jp/pub/X/gnome/stable/sources/gdk-pixbuf/
からどうぞ。
GdkPixbuf は GNOME プロジェクトの一部なので幾つかの他ライブラリに
依存し、それらが入っていないとなりません。そのうち一つは Gdk です。
これはあたりまえですね、GTK+ で使うライブラリなんですから。
もうひとつが問題で、それを libart といいます。ページレンダリングの
ライブラリなのですが、これは gnome-lib の中にいます。もちろんですが、
すでに GNOME が動いている環境には存在していますので懸念の必要は
ありません。いま問題としているのは GNOME が入っていないシステムに
GdkPixbuf を入れるにはというところにあります。
まあ結論から言えば GTK+ と gnome-lib だけでもインストールした後に
GdkPixbuf を入れてくださいといったことになります。一応 GNOME を
すべて入れる必要は無いとおもいます。
GNOME 対応の面白そうなアプリも増えて来たのでこの際 GNOME を入れてみる
というのもお勧めしますけどね。といっても GNOME-core のみ入れると
いう意味でデスクトップ環境まで入れる必要はないです。
実際のインストールは簡単で tar で解凍したあとディレクトリに降りて
./configure; make; make install コースです。
インストールはされませんがテストプログラムも make されますので実行して
見てください。適当な画像ファイルをオープンし、ウィンドウサイズに合わせて
拡大縮小したり半透明化を行ったりするテストが行えます。